Dさんは3人のお子さんと暮らすシングルマザー。シェアハウスで楽しく暮らしていましたが、子どもの成長に合わせて引っ越しをすることに。
シェアハウスの管理人をしながら
WAKUWAKU(以下W):
こんにちは。以前、Dさんがシェアハウスの管理人をされていた時にご挨拶程度にお会いしたことがありますが、随分お久しぶりです。今日はシェアハウスのお話も聞かせてもらえたらと思っています。
Dさん:
よろしくお願いします。シェアハウスは2018年ごろに母子のためのシェアハウスを立ち上げたいという方との出会いがあり、お声かけていただいたのがきっかけです。私も以前からそういったシェアハウスを立ち上げたいという思いがあったので関わらせていただくことになりました。住みながら、掃除や住民の方のお話聞いたりする管理人という立ち位置で、約2年間過ごしました。
W:
シェアハウスに関わりたいと思っていたのはどういった思いからでしたか?
Dさん:
私自身が一人で3人の子どもを育てていたので、まず助けて欲しいという気持ちがあり、助けてくれる人いませんか?助け合いませんか?という思いをシェアハウスで実現したかったからです。シングル家族の方に加え、それに共感した子どもがいない女性も入居してくださっていて、そういった方々にうちの子どもは育ててもらいました。キッチン、ダイニングは共有なので、一緒にいる空間で勉強を見てくれたり、一緒にご飯食べてくれたり。それはすごくよかったです。子どもが小さい時に何人かの大人の目があることの安心感はとても大きかったですね。そのシェアハウスの管理人をする前も、別の地区でシェアハウスに住んでいたので、末っ子は3~4年シェアハウスで育ちました。なので人懐っこいし、大人への対応を知ってますね。
W:
はい、最初会った時も挨拶はもちろん、普通に話してくれて嬉しかったです。
Ⅾさんにとっていいことが多かったシェアハウスから、どうしてお引っ越しを考えるようになられたのですか?
Dさん:
一番上のお兄ちゃんがこの4月から中学生になりましたが、そのシェアハウスは入居者がほぼ女性でしたので、思春期にさしかかってくる年齢、中学に上がる前には引っ越そうと以前から思っていました。
子ども3人・シングル・正社員じゃないと聞くだけで
Dさん:
それで散歩がてらいくつか不動産回って、割と気軽に話してみたところ、子ども3人でシングルで正社員じゃないとなると、貸してくれる物件ないんですよ。焦らなくても家は見つかるだろうと思っていたのですが。もう条件を伝えたところで終わりという感じで、話を聞いてもらうところまで至りませんでした。そこで、フードパントリーで会ったWAKUWAKUのすまいサポートのスタッフの方に一緒に来てもらうことにしました。すると見せてはもらえたのですが、子ども3人と住むには不安要素が多い物件ばかりでした。ネットでも探したらちょうど今のこの家を見つけて、問い合わせたところ、すぐにお返事くださいました。
いざ申し込み、保証会社が通るか不安
Dさん:
保証会社を通るかはとても心配でしたが、パートの収入と管理人としての収入と児童扶養手当など収入にあたるもの全て合算してなんとか通りました。住宅サポート(※1)も使えたので4年間は2万5千円、その後1万5千円の補助があるなら、4年後には子ども達も成長するしその頃はお留守番もできるようになってくるので働き方も変えられるかな、家賃負担もどうにかなるかなと思いました。子どもの足音についても聞かれましたが、下の子が今年4月から小学生ということでなんとか大丈夫だったのかなと思います。もっと小さい年齢だったらやっぱり独特のバタバタ歩きの音させちゃうので、ダメだったかもしれません。
W:
契約はスムーズにいきましたか?
Dさん:
支払いについて大丈夫か結構聞かれて、最後の契約の時一人では不安だったのですまいサポートスタッフの方についてきてもらいました。収入に当たるものは全て書いて説明し、どうにか納得してもらえました。私一人が言うよりも、NPO法人のスタッフが一緒に説明しているということで説得力が増したと思います。
それから、初期費用ってかなりまとまった金額を示されますよね、いろいろな保険とか、保証会社に払う手数料とかも合わさって、言われるがままによくわからず契約するのも怖かったので、誰かが一緒に確認してくれたのもすごく安心で心強かったです。
W:
ちゃんとした団体の第3者からみても、安心できる方ですよという太鼓判を押す役だった、そんな感じですね。
Dさん:
不動産会社に対してもそうですが、一人で大金の支払いすること自体すごく怖いことなので、私の気持ち的にも付き添ってくれる人の存在は本当に助かりました。
WAKUWAKUとのつながり
W:
部屋探しの前からWAKUWAKUとは繋がっていましたね。何がきっかけでしたか?
Dさん:
シェアハウス立ち上げの時に、豊島区で人を集めるために情報収集していたらWAKUWAKUさんに行きついて、こういった家を必要としている人がいたら紹介して欲しいと伝えたのがきっかけです。その後私自身がフードパントリー(※2)や、WAKUWAKUホーム(※3)に息子がたまに息抜きに行かせてもらったりなどお世話になっています。女性ばかりの空間でストレスが貯まる可能性もある息子にとって、たまに行ける場所があるのはすごく助かりました。
無事に引っ越し、今の暮らしは・・・
W:
引っ越しして息子さんも自分の部屋が持てたし、前のシェアハウスからあまり遠くにならずに広くてきれいな部屋がみつかったのは本当によかったですね。
Dさん:
ここを最初に見た時にピンときて、家賃は割と予算オーバーでしたが決めました。ちょうどリフォームされたばかりで、また窓からの景色も気に入っています。下にオーナーさんがいて、いつも挨拶は欠かしません!オーナーさんはもちろん、隣近所にも引っ越し前に菓子折り持ってご挨拶に回りました。子どもの足音が全然しないということはないですし。前は管理人という立場もあり常に気を抜けなかったので、今は少し時間にゆとりを感じています。
でも気を張ってはいたとは言え、ちょうど人生の中で子育てを助けて欲しい時期に、シェアハウスで助けてもらえたのは本当によかったです。社会のルールというか、人づきあい、言葉遣い、食事の行儀、そういったことを子ども達が学べたなって思います。他人の子にきちんと注意してくれるってあんまりないじゃないですか。これ、涙出るくらいありがたかったです。私が子どもに怒りすぎちゃったとき、子どもにそっとココア出してくれたり。でももちろん、そういうことがきついと思うお母さんもいるかもしれません。
W:
今はほどよく挨拶する程度の距離感という感じですか?同じマンションの住民の方とは。
Dさん:
とにかくトラブルがないように努めています。挨拶や、オーナーさんにおすそ分けなど、子育ては自分から助けてと言わない限り助けてはもらえないので、まず先手先手でよい関係づくりを心がけています。これは12年間の子育ての中で私も徐々に学んできたことですね。最初の子の時は、どうして誰も助けてくれないの?って思ってました。でも誰にも言ってなかったんですよね。言える場所もわからなかったし。
何年か後には「おせっかえる」に!
Dさん:
上の子をWAKUWAKUホームで預かってもらうとかしていたころ、スタッフの人にはただただ話を聞いてもらって助かったなと思います。アドバイスは要らないんですよ。ひたすら話させてもらいました。私も相談されることがありますが、以前は自分の経験を話したり、何かアドバイス的なことをしがちでしたが、最近はとにかく聞いて、あとは「WAKUWAKUに行ってみたら?」と。笑
私としては今できる恩返しとして、WAKUWAKUのことをいろいろな人に伝えてます。まだ今は受けている恩の方が圧倒的に多いけど、 今はごめんなさい。たくさんのサポートを受けます。まずは子どもの成長を第一に、家族を守ろうと思って、いろいろなことをするのはやめました。私も何かお手伝いをしたい、シェアハウスの場で子ども食堂をやろうかなと思ったこともありましたが、今は助けて欲しいから助けてもらうことに決めました。そして、いつかちゃんと返したい!と思っています。だからWAKUWAKUさんからも助けをどんどん借りて、何年か後には大きな“おせっかえる”になろうと思っています。
W:
おせっかえるさんがどんどん増えるって、地域の未来に希望を感じることですね。そういうママ達の声は、今ボランティアで関わっている人の励みにもなると思います。
今日はどうもありがとうございました。
※1豊島区子育てファミリー世帯家賃助成制度
※2毎月第3土日開催・としまフードサポートプロジェクト
※3宿泊機能のある居場所・WAKUWAKUホーム
すまいサポートスタッフから
「正社員じゃない」と伝えると、不動産屋さんはそれしか見ないので、物件紹介を断られてしまうケースも多いようです。例えば、アルバイトを掛け持ちしていた場合、その両方が定期的な収入であれば、合算して給与所得として申し込むことができますし、また、Dさんのように豊島区の家賃助成が毎月入ることや、児童扶養手当、養育費なども収入として伝えることで収入要件を満たせる場合があります。また、これまで家賃を滞納せずにきちんと払っている経歴(振込明細表など)を見せて、信頼してもらうケースもありました。
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