本ネットワークは、平成24年6月24日に設立記念シンポジウムを開催し、地域の子どもを地域で見守り地域で育てることをコンセプトとして誕生した。

6人に1人の子どもが貧困状況にあることが、2009年の厚生労働省の発表で明らかになった。教育格差が広がり、貧困の連鎖が広がっている。また、不登校・いじめ・児童虐待といった困難を抱えた子どもたちがいる。困難を抱えた子どもがいる家庭は、地域で孤立しがちであり、孤立は問題を深刻化していく。教育や福祉の制度だけでは手が届きにくい子どもが抱える問題を、地域が見守り、学びや暮らしを有機的に支え、時には専門家につないでいく。まさに、子どもの権利を地域で守る社会的包括の実現である。

「プレーパーク」は子どもの外遊びの場を保障する。子どもは遊ぶ生き物だ。昔から子どもはうるさく、汚く、危なっかしく、おとなの目が届かないところで培う子ども同士の経験や関わりが、遊びを通じ営まれてきた。子どもが主体となり自ら遊びを創っていく場、誰とも比較されない場、偏見や抑圧のない環境を守り、信頼できるおとなに出会う場を増やしていきたい。

「無料学習支援」は、経済的貧困に左右されることなく学びの場を保障する。学習を支援する学生や地域住民との交流を通して、ありのままの自分を受け入れてもらうことにより、自尊感情を育む。また、子どもを通して保護者とつながり、生活支援へと広げていく。

これらの安心していられる居場所をさまざまなカタチで地域に点在化させていきたい。孤食が当たり前の子どもが、一家団欒のような暖かさを味わえる「子ども食堂」、親の帰りが遅い子どもたちのための「夜の児童館」、困ったときにいつでも泊まれる「子どもシェルター」などなど。信頼できる大人や学生につながったとき、一人の子どもの人生が大きく変わる可能性がある。「地域を変える 子どもが変わる 未来を変える」を合言葉に、豊島子どもWAKUWAKUネットワークは、特定非営利活動法人として未来を支える子どもたちに広く寄与していくものである。