おせっかえる、はばたけ!~社会人になった井上君(仮名)インタビュー~ 【最終回】

WAKWAKUでサポートしていた井上君と再会したのは、2025年4月27日の日曜日。
初任給をもらったのでと言って、お菓子を届けてくれた井上君に、インタビューさせていただきました。

その時のお話を、数回に分けてお送りします。

第1回 おせっかえる、はばたけ!~社会人になった井上君(仮名)インタビュー~①
第2回 おせっかえる、はばたけ!~社会人になった井上君(仮名)インタビュー~②
第3回 おせっかえる、はばたけ!~社会人になった井上君(仮名)インタビュー~③(この記事です)

支援の受け手から社会を支える担い手へ
 「7年間の伴走が育んだ自立と還元のサイクル」

栗:寄付した皆さんの善意がどんなことにつながるのか、井上君の物語を通じて伝わるといいなと思っています。地域の見守りとか繋がりづくりを応援することは、子どもの成長を応援できるんだなって。

井上:WAKUWAKUさんの支援を受けた方々が自立して、最終的には還元してくれる側に回るサイクルみたいなのをうまく作ろうという部分が大切ですね。

栗:還元というのが別にお金とかではなくて、地域でこういう活動があると孤立を予防できるとか、そういう実感を話してくれるとか、そういう社会を作る仲間になってくれるとか、それが還元だと思ってる。でも、まずは今の活動を維持していくためには、やっぱり寄付や支援、応援団が必要だなと思っていたりします。

井上:そうですね。僕ら支援を受けた側としては、金銭的なこと以外で恩返しを考えたときに、こういう実態があるというのを社会に向けて発信しなければいけないなと思っています。そのためにも、まずは経済的にも社会的にも自立していなければそういう余裕が生まれないと思うので、僕はひたすらに勉強することにしました。そうすれば、後々自分が何をやりたいかも探しやすいと思っていました。

 支援してくださる企業や個人の方々にも、僕らがちゃんと勉強をして自立したことをご報告できれば、還元の仕方のひとつになるのかなって。

栗:その通りだね。井上君のようなおせっかえるがいっぱい誕生してほしい。ただね、やっぱり全員が勉強に熱意を持てるっていうわけではないし、勉強だけじゃなくても、自分が得意なことが活かせたりできたらいいなと思う。

栗:井上君が学生時代に井上君らしく過ごせたのは、「今の自分のままでいいんだよ」って言ってくれた親御さんとかがいてくれたからかな。

井上:母親がそうだったように、単純に自分はこのままで良いって肯定してくれる存在が近くにてくれたのは良かったですね。

栗:それが母親じゃなくても、居場所で週に一回会っている地域の人とか学習支援のボランティアとか、そういう人でも全然いいんじゃないかな。親にわかってもらえなくても、誰かが理解して肯定してくれるといいなって思う。

A:そうですね。

栗:最後に、WAKUWAKUみたいな地域のつながりに対する思いと、これからの抱負、お母さんに対しての思い、この3つを一言いいですか。

井上:まずは高校の時から大学までの7年間、ご支援いただきまして本当にありがとうございます。皆さんの助けなしでは、今の自分はなかったと本当に思っています。

 進学の時期だけでなく、日々のつながりがあったおかげで、母もすごく助けられたと思います。相談できる人や場所があったことで、経済的に厳しい時も母は精神的に余裕を持てていたので、それが僕の精神的な安定にも繋がっていました。そういった面でも、地域のつながりに本当に感謝しています。

 ルーツを中国に持つ僕を社会は受け入れてくれて、いろいろな枠組みを通して支援してくれました。なので、就職活動の時はこの社会に貢献できる仕事をしたいと考えていました。就職先の商社では、エネルギーの安定供給に携わって、日本社会に貢献できたらと考えています。最初は知識不足だと思うんですけど、どんなことでも全て吸収して、いろいろな方から知見をいただいて、毎日勉強を積み重ねていきたいです。

井上:母は、常に自分の味方でいてくれて、僕がやりたいことに対して否定せずに好きなようにやらせてくれました。学校や進路を選ぶ時も、アドバイスしつつ最終的には僕の意見を尊重してくれたことに、すごく感謝しています。これからいろいろな形で恩返しをしていきたいなと思っています。

栗:今後もぜひ本当に豊島区民の一人として、子どもたちの応援団になってもらえたら嬉しいな。今日はありがとうございました。

井上:こちらこそ、ありがとうございました。