8月4日東京都美術館の「ミュージアムトリッププログラム」にお招きいただきました。

東京都美術館と東京藝術大学が展開するプロジェクト「Museum Start あいうえの」は、子ども達の”ミュージアム・デビュー”を応援しています。今回はWAKUWAKUが招待され、子ども達12名と引率のボランティア3名で鑑賞してきました。アートの繋ぎ役として、アート・コミュニケータ「とびラー」のみなさんがサポートしてくださり、楽しくお話をしながら作品を鑑賞することができました。

「全部の作品を見ようとしないこと。ひとつでもじっくり見たくなるようなものに出会えたらOK!」というアドバイスをもらい、子ども達もリラックスして作品と向き合えたようです。デンマークの家具デザイナー、フィン・ユール(1912-1989)が生み出した個性豊かな椅子の中から、思い思いの椅子をみつけて、気づいたこと、感じたことを「とびラー」さんや他の子ども達に話しかけてみます。少し気恥ずかしさもありますが、他の人と味わうからこそ思ってもみない発見があり、一人で黙々鑑賞するのとはまた違った楽しさがありますよね。椅子に座れるコーナーもあり、優しく座って感じてみます。思わず美術館という空間を忘れて、ゆったりくつろいでしまいました。

鑑賞を終え、「とびラー」さんやグループの子ども達と、どの椅子が一番お気に入りだったかを話し合います。椅子の写真や展覧会のカタログをめくり、見てみて、座ってみて、どう感じたか、どこが好きだったかを共有しました。同じ椅子でも、全然目に止まらなかったという人もいれば、一番のお気に入りだという人もいて、こんなに見え方が違うのかとお互いにびっくり。子ども達の目の付けどころに「とびラー」さん達も感心されていました。

最後には思わぬプレゼントも!上野公園内にある9つの文化施設の情報やヒントがつまった「ミュージアム・スタート・パック」をいただきました。ガイドブックとオリジナルノートが入っていて、発見を記録しておくことができます。他の8つの文化施設を回る楽しみができました。

「とびラー」さん達とお別れした後、美術館のレストランでランチをいただきました。お肉とお魚が乗った豪華なランチプレートをいただきながら、展覧会はどうだった?と子ども達の感想を聞いてみます。

美術館は好きでよく行くという子も、今回はじめて美術館に来たという子もいるようでした。また美術館に行きたい、展覧会をもう一度みたい、という感想もありましたし、難しくてよくわからなかった、絵を描くのは好きだけれど見るのは難しい、という声もありました。

文化や芸術は、瞬間にわかるものではないと思います。今はよくわからず、難しくても、1年後、10年後にふと思い出して、その後の人生に大きな影響を与える可能性だってあります。わからないもの、不思議なものとの出会いを、どうか嫌いにならず、大切にしてくださいね。また、今回は「とびラー」さんがいたことで、美術館に行き慣れた人も新鮮な体験ができたと思います。感じたことを人に話すことで、自分はこう思っていたんだ!と逆に発見があったのではないでしょうか。ここで得た気づきを、いつもの日々を心豊かに過ごす宝物にしてもらえたらなと思います。